弁護士 深澤諭史のブログ

弁護士 深澤諭史(第二東京弁護士会 所属)のブログです。 相談等の問い合わせは,氏名住所を明記の上 i@atlaw.jp もしくは 03-6435-9560 までお願いします(恐縮ですが返事はお約束できません。)。 Twitterのまとめや,友人知人の寄稿なども掲載する予定です。

タグ:法科大学院

地方の法科大学院は,危機的状況のようです。

法科大学院細る九州 志願者減止まらず6校が2校に
https://this.kiji.is/398948472369333345

こうなったら,もう,日本の隅々まで法の光を行き渡らせるため,法科大学院を修了しなくても司法試験がそのまま受けられるようにしたら,どうでしょうか?

このままでは,地方切り捨てとの批判は免れないと思います。

我が法曹界では,定期的に,「志願者が激減してしまった。原因はなんだろう?回復させるにはどうしたらいいだろう?」というようなことが話題になります。

なんとも悲しい話題ですが,一部の人は,司法試験の合格率が低いせいであると指摘します。ただ,合格率が一桁だった時代(今より志願者が多かった。)を考えれば,この指摘は,あまり合理性がないと思います。

この点について,私が所属する第二東京弁護士会の機関誌「二弁フロンティア」が,原因をデータから,統計から分析していますので,紹介します。

二弁フロンティア2012年12月号では『データでみる「法曹志願者の激減」』という特集が組まれました。
それによれば,多大な時間的・金銭的負担の末に取得する資格であるにもかかわらず、その資格で「飯を食う」ことができない。これほど資格の魅力を損なう話はない。資格の魅力が低くなればなるほど、その資格を目指す人間は減る。』と指摘しています(なお,今は当時よりは新人弁護士の就職環境は,かなり改善したと聞いています。)。

その上で,『問題の本質は、「法科大学院や今の法曹界がどう考えるか」ではなく、「法曹界入りを検討している学生や社会人がどう考えるか」という点にある。「こちら側」の都合だけで物事を考えてはならない。』
と指摘しています。

かなりごもっともな指摘だと思いますが,如何でしょうか。
今,国の機関でいろいろと検討しているのですが,観念論,精神論紛いの議論ではなくて,データに基づいた客観的で合理的な議論がされることを,期待したいと思います。

↑このページのトップヘ