弁護士 深澤諭史のブログ

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カテゴリ: 非弁

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なお、全体記事はこちら

2.(顧問)弁護士がいるので大丈夫

いればいいというわけではありません。
最近、非弁行為について、弁護士が、なんらの理由も付さずにお墨付きを与える事例が増えており、非常に憂慮しています。
弁護士は、国会でも許認可の機関でもありませんので、「適法にする」ということはできません。
現行の法令や裁判例、実務に照らして、適法かどうかを判断し、あるいは、是正するためには、どういうことが必要か、それを助言することが弁護士の仕事です。

そのような検討の跡が見られず、理由もふさずに、「(顧問)弁護士がいるので大丈夫」というのは、弁護士という肩書きが持つ高度の信用性を悪用する結果となりかねず、極めて不当、あるいは悪質です

なお、弁護士が必要になったらその弁護士に回す、相談できる、というのは、その業者の適法性の担保になりませんし、むしろ、弁護士と業者の共同での違法行為と評価できます。
この辺りは、弁護士法、弁護士倫理の初歩の問題です。

これまでも何度か書いていきましたが、少しずつ書き足していきます。

1.交渉しなければ非弁ではない

一番多い誤解です。「交渉したら非弁になるので交渉しません」という宣伝文句を掲げるところが多いですが、その意図するところは、「交渉しなければ非弁ではない」ということです。
これは、間違いです。弁護士法72条は、次のように定めています。
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
要するに、代理つまり交渉は、数ある非弁行為の一類型にすぎません。法的な意見を述べる(鑑定)や、法的書面作成(法律事務)も、弁護士法72条の適用対象となりえます。

むしろ、弁護士法72条の適用範囲のうち、代理というのは、ごく一部にすぎません。
この点を強調している時点で、弁護士法の理解が不足している、非弁行為をしている疑義が大いにあるというべきと思います。

2.(顧問)弁護士がいるので大丈夫

いればいいというわけではありません。
最近、非弁行為について、弁護士が、なんらの理由も付さずにお墨付きを与える事例が増えており、非常に憂慮しています。
弁護士は、国会でも許認可の機関でもありませんので、「適法にする」ということはできません。
現行の法令や裁判例、実務に照らして、適法かどうかを判断し、あるいは、是正するためには、どういうことが必要か、それを助言することが弁護士の仕事です。

そのような検討の跡が見られず、理由もふさずに、「(顧問)弁護士がいるので大丈夫」というのは、弁護士という肩書きが持つ高度の信用性を悪用する結果となりかねず、極めて不当、あるいは悪質です

なお、弁護士が必要になったらその弁護士に回す、相談できる、というのは、その業者の適法性の担保になりませんし、むしろ、弁護士と業者の共同での違法行為と評価できます。
この辺りは、弁護士法、弁護士倫理の初歩の問題です。

3.代行だから大丈夫

最近、退職代行が流行していますが、それは「代行だから非弁ではない」などと主張しているようです。
この代行だから非弁にならない、というのは、明確に誤りです。

非弁行為、つまり、弁護士法72条が禁じている行為の中には「代理」というものがあります。
そして、単にそのまま意思を伝えるだけであり、代理人を名乗らない行為については、確かに、弁護士法72条の「代理」にあたりません(ただし、代行や使者行為についても、この「代理」に含まれるとの見解もあります。)。

しかし、弁護士法72条は、代理だけではなくて、法律事務一般を規制対象としています。
法律事務には、法律関係を変動させたり、あるいは明確化したりする行為が含まれます
退職というのは、労働契約の解除に他ならないなわけですから、法律関係を変動させる行為です。
また、退職届を別に本人に出させても、それを支援するわけですから、法律関係を明確化する行為として法律事務に該当するといえるでしょう。
退職の流れとか、見通しとか、そういう助言をすれば、それは「鑑定」であり、この点からも非弁行為です。

非弁行為というのは、実質判断で、しかも複数の規制があります。ですから、本来は「〇〇だから非弁ではない」という言葉は、すこしでもこの分野を学んだことがあれば、出てくるはずのない言葉です
こういう言葉が出てきた時点で、かなり怪しい、と考えるべきでしょう。

4.コンサルだから大丈夫

これも大嘘です。

弁護士業務というと代理とか交渉とか裁判とかを思い浮かべることが多いでしょうし、実際問題として、そういうイメージは誤りではありません。

ですが、弁護士業務の中には、そのような対外的な行為の他、法律相談つまり法的な事項についてのコンサルティングも含まれています
そして、これについては、弁護士法72条も「鑑定」ということで、弁護士業務に含めています

なお、過去に、実際に、債務の圧縮ための経営コンサルについて、非弁行為の成立を認めた裁判例もあります。

5.本人にもやってもらっているから大丈夫

退職代行で、「退職届は本人に郵送させている」「そのことをこちらは伝えているだけ」というような弁解があります。
そもそも、それでは「代行」ではないので、代行してもらえると信じさせて依頼を受けると、非弁どころかただの詐欺になると思うのですが、その点はまず措くとします。

法律以前に、常識的に考えてもこれは間違いなのはすぐ分かると思います。
本人自身の手で絆創膏を貼っている、包帯を巻いていれば、そういう患者であれば無免許で診療できるとか、運転免許のある人がとなりにいれば、無免許でも運転できるとか、そういうことではないのと、同じようなものです。

さらにもっといえば、例えば債権回収の場面では、「債権者本人が請求すらしていない」案件は滅多にありえません。
債権者本人がすでに請求していても、さらに、本人以外から請求するには、資格(弁護士、認定司法書士、債権回収業)が必要になります。

そういう意味で、いう通りであったら非弁以前に詐欺になりかねないのですが、非弁であることも確かである、ということです。

定期的に非弁についてツイートしたり、記事を作成したりしています。

ただ、反応を見ていると、よくある誤解、というようなものが横行しているようです。

非弁の被害というのものは、消費者被害同様、誤解につけこむという側面があります。

そういうことで、今後、よくある誤解について解説をしていく予定です。

(;・∀・)といっても、なかなか、予定通りにならないのですが。

はっきりいって間違いです。
そもそも、判例になるのは、争われて、明確に判断が下されて、しかも実際問題として公刊物に掲載された、というような事案です。
しかも、そうそう都合よく、同じ事案が見つかるというものではありません(そんなことなら、法律家はみんな失業です。)。
大学の試験問題ですら、裁判例そのまま出るというものではありません

こういう場合は、類似の案件や、逐条解説書(1条1項毎に法律条文の意味や解釈などを解説した書籍。コンメンタールともいわれる。)などから支配的な見解を調べて、判断をするということが必要になります。

代行に関しては、債権回収の代行、あるいは債権受領の代行について、すでにそれらが非弁行為であるという裁判例があります

また、非弁行為の成立には、法律事件に関する法律事務であることが必要です。
この点について、法律事件とは、紛争の可能性があるか又は新しく法律関係を変動させる事案をいい、法律事務とは、代理以外にも法律関係を変動させたり明確化、保全する行為が含まれる、と解釈されています。
そうすると、退職代行は、具体的な内容次第ですが、一般に宣伝されているような内容・行為であれば、非弁行為に該当する可能性が極めて高いといえます。

法律上の期間制限があります。
ただ、合意によって即日退職することは、もちろん可能です。
ですが、それには代理して交渉して、そして合意を形成する必要があり、退職代行業者では行えません。
仮に可能であるとしても、あくまで合意ですから、全面的に、勤務先の意思に左右される事柄です。
相手方勤務先に重大な労働契約上の債務不履行があるとして、それを理由に即日退職をするとか、有給行使とか、いろいろと手段はありますが、それには、原則として弁護士でなければ行えない、法的鑑定などの法律事務が必要になる場合がほとんどでしょう。
また、これを誤解した場合は、利用者が賠償責任を負担するリスクすらあります。
それにもかかわらず、少なくとも大部分ないし相当部分が「即日退職」可能であるかのように誤認させるようにな表示は、誤りであり、消費者被害にも繋がると考えます。

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