弁護士 深澤諭史のブログ

弁護士 深澤諭史(第二東京弁護士会 所属)のブログです。 相談等の問い合わせは,氏名住所を明記の上 i@atlaw.jp もしくは 03-6435-9560 までお願いします(恐縮ですが返事はお約束できません。)。 Twitterのまとめや,友人知人の寄稿なども掲載する予定です。

2020年03月

別に裁判官裁判が万能だとは思いませんし、裁判員裁判の功績は大きいと思っています。
でも、こういう判決があるってことは、やはり、ちゃんと留意するべきだと思います・・・。
 

もう少し、この切り口での議論が増えるといいのですが。。。
 

ちょっとはしゃいだツイートをしてしまいました。
いや、本当に、人生色々とわからないものですね。
 

*最終更新日:令和2年6月5日
*令和2年4月1日,Q15追加,同4月5日にQ16を追加,同4月9日にQ17を追加,同4月17日にQ18とQ19を追加,同4月20日にQ20を追加,同4月25日にQ21,Q22を追加,同4月30日にQ23を追加,同5月3日にQ24を追加,同5月7日にQ25,Q26を追加、同5月13日にQ27、Q28を追加、同5月16日にQ29を追加,同5月19日にQ30とQ31を追加,同5月28日にQ32とQ33を追加,同6月5日にQ34とQ35を追加。

インターネットの表現に関するトラブルは,年々増加傾向にあります。
私も,よく取り扱う分野で,なんどか論考や書籍も出しているところです。
以前は,投稿された側の相談や依頼が多かったのですが,最近は投稿をした側の相談も増えてきており,下手したら半分くらいがそうである,という時期もありました
なお,中には,適法な表現に対するスラップ訴訟に近いのではないか,違法であっても過大請求ではないか,請求の内容と方法に問題があって,請求者(投稿された側)にとっても利益になっていないのではないか,というケースも散見されました。

このあたりの経験を踏まえ,賠償請求の訴訟外交渉や訴訟の実務をまとめた書籍が「インターネット権利侵害 削除請求・発信者情報開示請求“後"の法的対応Q&A」です(なお念のため,この書籍は弁護士向けの専門書です。)。

これは,ネット上の表現トラブルに限ったことではなく,法律問題全般,もっといえば,医療関係についてもいえることですが,ネット上には,それぞれの立場にとって都合の良いデマが流通しています。
法律問題の当事者は,特に訴えられた方は不安になりますので,そういった中で,自分に都合の良い「ネットde真実」に目覚めてしまうのは,やむを得ないこともあります。ただ,そのせいで,本来あるべき権利救済を受けられなかったり,逆に,投稿者が,それ以上に責任を認められてしまうことは健全なことではありません。
最近,複数の相談者から,そういうネット上の情報をいくつか教えてもらいましたが,ネットde真実のオンパレードで,誰かのいたずら?(そんなことないでしょうが)と疑うレベルでした。

前置きが長くなりましたが,同じような誤解に繰り返し答えるのも非生産的ですので,上記書籍の情報を一般向けにまとめ,かつ,相談者や,ブログのコメント欄からよく寄せられる誤解について,これにハマらないように情報をまとめました


Q1.発信者情報開示請求ってなんですか?

大雑把にいうと,ネットで投稿をした人の個人情報(住所・氏名)を特定する手続きです。
最初にコンテンツプロバイダ(掲示板などの管理者)からIPアドレスを取得します。その後,IPアドレスから割り出した経由プロバイダに対して,住所氏名等の開示を求めます。
あくまで,被害を主張する者が,プロバイダに請求をするという点が特徴です。
なお,裁判外でも,裁判上でも請求が出来ます。


Q2.発信者情報開示請求に係る意見照会書ってなんですか?

Q1の請求があったときに,投稿者(発信者)に対して,プロバイダから送られる書面です。
Q1のとおり,発信者にとっては,自分の個人情報が開示されるかどうかは重大事です。
ですが,匿名で請求や裁判に関わることは出来ません。事実上,プロバイダが相手をする代理戦争になります
そこで,プロバイダとしては,開示をしても良いか,してもダメな場合は,裁判外で自分の判断材料にするために,裁判の場合は,裁判所に出す主張の参考にするために,意見を発信者から受け取るということになります


Q3.裁判外だったら拒否すれば,開示されませんよね?

いいえ。されることがあります
特に,特定のプロバイダや特定の権利ですと,しばしばあります
このあたり,都合の良いデマが多いですが,プロバイダに応じた対応が必要です。
特に,一定のプロバイダは,積極的に開示に応じています。


Q4.必ず意見照会はくるのですか?

いいえ。来ないことがあります。
プロバイダの義務ですが,その義務を履行しないケースもあります。
また,発信者情報開示請求以外の方法で開示が認められるケースも増えており,この場合は,そもそも意見照会の制度はないので,来ません


Q5.投稿者ですが,開示・非開示になったら連絡はもらえますか?

非開示の場合は連絡がなく,開示の場合は連絡があることが多い
です。
ただ,最近は,開示になっても連絡しないケースも増えています。


Q6.開示請求が来てから,どれくらいのタイミングで結論が出ますか?

ケースによりますが,請求の内容,文面から予測は可能です。
ただ,裁判になれば,少なくとも3ヶ月とか時間がかかります。
危険なのは,相場だのなんだのと決め打ちをしてしまうことです。


Q7.開示判決について,プロバイダは控訴してくれますか?

基本的にはしてくれません
が,ケースによります。プロバイダにもよるところが大きいです。
最近ですと,「荒らし行為」について開示を認めた事件について,控訴がされたケースがありました(結論は控訴棄却でした。)。


Q8.名誉権侵害(名誉毀損)ではなくて,名誉感情とか,プライバシー,著作権侵害だったら,開示の可能性は低いですよね?

そんなことありません。むしろ,逆です。
名誉感情は事実の摘示の要件がないですし,プライバシーは,有名人でも認められますし,むしろ,有名人だからこそ認められるプライバシー侵害も存在します。つまり,一般人だったら同じことかいてもプライバシー侵害にならないのに,著名人だとなるケースもあるということです。
著作権侵害も同様に一般化できません。
法律問題全般の「ネットde真実」に多いのですが,無理矢理類型化してわかりやすくすることで,誤りに陥るという典型です。


Q9.意見照会ですが,延期してもらえるのですか?

基本的にはしてもらえます。
すぐに連絡をするようにしましょう。


Q10.発信者情報開示請求を検討していますが,弁護士費用の方が高くついてしまわないでしょうか。

そのリスクは高いです。
ですが,高額の賠償を狙う方法,それが可能な投稿,ケース,あるいは,そもそも弁護士費用を節約して,投稿者を突き止める方法など,いろいろあります
弁護士には,「発信者情報開示請求をして賠償請求をしたい」と固定して相談をするのではなくて,被害の実情とか,希望を述べて,むしろいろいろな方法を提案してもらうといいでしょう。


Q11.慰謝料は判例で決まって,相場は○○ですよね?

勘違いです
。ネット上の表現トラブルには,いわゆる赤い本(交通事故の慰謝料額をはじめとする賠償基準を集めた書籍)がありません。
無いのは作れないからで,それは,賠償額は,投稿の内容だけではなくて投稿の場所でも変動するからです。
同じ投稿,同じ場所というケースはめったにありません。交通事故であれば,一週間の入院という事件は沢山あるので類型化できますが,ネット上の表現トラブルでは,それが出来ないからです。
ネットde真実の法律情報には,「判例が,判例が」というのが多くありますが,判例というか,裁判例は,そういう使い方をするものではありません


Q12.発信者情報開示請求に使った弁護士費用は発信者に請求できる/できない,と聞きましたが,本当のところは?

数年前は,認められる傾向が強かったのですが,最近は,認められない傾向があります

もっとも,事案に応じますし,それぞれの主張と反論の内容次第といえます。
投稿者が本人訴訟だと,認められる傾向が強いようです。たとえば,近時,20万円の慰謝料に対して90万円の弁護士費用が認容された事例がありました。近時で,発信者情報開示請求の弁護士費用実費が認められたほとんどの事例は,被告が本人訴訟のケースのようです
ですから,被害(を主張する)者としては,発信者が本人訴訟で応訴するかどうか,その見通しも大事ということになります。そうしてくれたら,「しめたもの」といえるでしょう。


Q13.発信者としては裁判前に示談しない方が安く済むよね?

そんなことはありません。
交渉というのは自分ではなくて,相手方のことを考える必要があります。このあたり,なかなか弁護士でないとわからないポイントですが,交渉で大事なのは,相手方の利害です。
請求をしている側からすれば,裁判をすれば,別に費用がかかるので,損益分岐点が動きます。となると,裁判中に安く和解することは難しくなってしまいます。
一方,裁判前に和解できるのであれば,そういうリスクが回避できるので,安く和解するというインセンティブが生じます
実際に,当初は200万円300万円といった請求であっても,20万円程度や,0円で解決できたケースもあります


Q14.立証責任は請求者(被害を受けたと主張する者)にあるから,全部否認すれば,大丈夫ですよね?

そんなわけありません。ネットde真実の法律情報の中には,立証責任のことを,直接証拠で立証しない限り不存在が推定されるとか,そういう誤解があるようですが,大間違いです
あと,請求の趣旨に対する答弁は別としても,単に全部否認,といっても,肝心なものに争いがあっても否認にならず自白扱いになります。このあたり,不親切なことに,裁判所から送られてくる答弁書の書式にも入っていません。
以上を別としても,立証責任があっても,原告が一応の根拠を持って主張立証をしている場合,これについて,合理的な反論が出来なければ,全体的な裁判所の心証として,その事実の存在を認める方向に傾くでしょう。また,仮に証明が出来た,というレベルに達していなくても,ネット上の表現トラブルにおける慰謝料算定の実務といて,証明ができない=賠償が認められない,と単純にいうことができるものではありません(ただし,主張立証責任の原則を動かすものではありません。)。
このあたりを勘違いすると,高額な慰謝料になったり,あるいは,Q12の様に,数倍の弁護士費用を払うことになります。
逆に言えば,請求する側からすると,請求される側が,ネットde真実に目覚めたり,あるいはその他の理由で,本人訴訟をしてくれるかどうかは,重要なポイントになります。


Q15.ネット上の情報は,書き込まれた人/書き込んだ人が,書き込んだ人/書き込まれた人をだまして,自分が有利になるように工作しているのですよね?

そこまで暇な人がいるか
,かなり微妙な話だと思っています。
ただ,同種事件の取り扱い経験,関係者からの相談をこれまでずっとやってきた経験からいうと,概ね,次のようなことがいえると思います。
つまり,参加者は情報工作をするというよりも,「自分にとって都合の良い情報を真否確認せずに投稿し,賛同し,逆に,都合の悪い情報は嘘だと決めつける」,そういうことをお互いに繰り返しています
そういう中で,せっかく自分が見つけた都合の良い情報が否定される,それは「工作員」の仕業だ,と信じたがる,そういう構図があるのではないか,と思います。
それにしても不思議なのが,自分の敵が偽情報を流しているかもしれない(と思い込んでいる)にもかかわらず,そういう情報を集めてネットde真実に目覚め続けるのか,ということです。
そこまで工作だのデマだのがあると思っているのであれば,早くちゃんと,法律上の守秘義務や善管注意義務のある法律事務所に相談に行った方がいいと思うのですが・・・。


Q16.ネットで「○○という判決だったよ!」とか聞いたのですが,本当ですか。

この種の事件に限りませんが,基本的に信用できません。
基本的に,発信者が匿名かつ裁判所・判決日・事件番号・掲載誌といった情報が入っていない判決は,エア判決,エア判例であることが多い,というかほとんどです。
私は,インターネットの表現トラブルについて,自分の担当事件以外でも,沢山の判決を収集しています。以前,この種の事件の判決の例について,ネットの情報を人に見せてもらったことがありますが,一つとして一致する,類似するものはありませんでした(もちろん,全ての判決を集めているわけではありませんが,余りに実務上の通例と,理由も結論も齟齬があったので,実在しないと判断できます。)。


Q17.相手の弁護士は東京の法律事務所のようですが,私は地方在住です。裁判はどこでやることになるのですか?

発信者情報開示請求については,プロバイダが被告であり,その場合はプロバイダの所在地です(なお,別の場所で裁判をする方法もありますが,あまり一般的ではありません。)。したがって,ほとんどの場合は東京地方裁判所で,一部については会社が大阪ですので,一部は大阪地方裁判所になります。
次に,開示後の裁判(損害賠償請求の裁判)についてですが,これは,幅広く管轄が認められています。インターネットの投稿は,日本中で閲覧が可能だからです。基本的に,発信者情報開示請求の管轄が東京であることが多く,東京の弁護士が担当することが多いので,損害賠償請求の裁判も東京地方裁判所で行うことがほとんどです。
私は,この種の事件の判決を(自分が担当した以外のものも)片っ端から収集していますが,約95%は東京地方裁判所です。当事者双方が地方在住の案件でも,東京地方裁判所で行うというケースも珍しくありません(私の経験上も,ほとんど全てそうなっています。)。
ネット上の表現トラブルについては,尋問が不要なことがほとんどですので,その点からも,東京地方裁判所で行うことが合理的であるといえます。


Q18.投稿者で開示されてしまい,賠償請求の内容証明郵便が来ました。示談は不利ですので,判決に従いますとだけ返事しようかと思いますが,それでいいのでしょうか。

よくないです。というかもったいないです。
示談,すなわち合意による和解が有利か不利かなんて議論はナンセンスもいいところです。
和解そのものに有利不利なんてありません。有利不利は和解の問題ではなくて,内容の問題です。つまり,条件に有利なものがあるか,不利なものがあるか,ということです。
ですから,和解(示談)そのものに有利も不利もなく,有利な和解もあれば不利な和解もある,ということです。

ただ,もちろん,請求者代理人弁護士の中には,驚いて高額支払いをさせることを狙って,やたら恫喝的な書面をだして支払わせるという手法を使う者もいます。そういうのに驚いて高額支払いに同意することは「損」ということです。もっとも,こういう手法は,倫理的な問題もありますし,請求者と弁護士との共同炎上につながりますので,請求者代理人としても私はやりませんし,おすすめもしませんが。

なお,実際に,請求を受けて交渉をして,数十分の一,あるいは0円で解決が出来たケースもいくらでもあります
和解は不利だと頭から決めてかかるのは,せっかくの,こういう低額解決のチャンスを捨てるのでもったいない,ということです。裁判になれば,相手方つまり請求者は,さらにコストを投じることになるので,その後の和解も難しくなるリスクもあります。


Q19.Q18について,いくらにすればいいか,よくわからないので,裁判にしてもらって本人訴訟で対応しようと思いますが,どうでしょうか。

金額について判断も出来ないのに,裁判でまともな対応が出来るわけありません

物の価値がわからないのにその物を買うでしょうか?しかも,相手はお店の人ではなくて,あなたの敵です。カモにされるのがオチです。というか,実際に各種判決をみればわかるようにいいように高額判決を取られています。
自己責任の問題ですので,本人訴訟するなとはいいませんが,そういう考えでは,重病になったのに医者にかからず,ネットで検索して見つけた民間療法に頼るようなものです。


Q20.開示請求をして無事に開示されましたが,契約者は自分は投稿者ではないといっています/自分は投稿していないのですが,回線の契約者ということで開示されました。

まず,原則論からいうと,投稿の責任を負う者は,投稿をした人つまりは発信者です。
ですから,回線の契約者は責任を負わないのが原則です。
もっとも,回線を契約しているとなると,通常,回線の契約者以外は回線を利用しませんので,事実上,契約者が投稿をしたことが推認されることになります。
もっとも,この推認というのは,実務上,さほど強いものではありません。
また,これは弁護士でも勘違いするのですが,プロバイダ責任制限法でいう「発信者情報」というのは,発信者の情報と同一の意味ではありません。あくまで,発信者にたどり着くのに役に立つ情報も含まれています。ケースによっては,わざとそのあたりを誤解させて請求するケースもありますが,さすがに,こういう請求は,弁護士としては問題がある可能性もあると思っています。

さて,実際にあった判決としては,遠隔操作の反論をしたが認められなかった事例や,回線契約者だが投稿者ではないという事例で責任を否定した事例,逆に,回線契約者ではないが投稿者であるとして責任が認められた事例,回線契約者で家族で回線を共有していたが,誰も投稿に覚えがなく,かつ,不正アクセスの可能性を認めて責任を否定した事例などがあります
ですから,請求をする者も,される側も,そういうケースを念頭に置くべき,ということになります。


Q21.原告に立証責任がある。だから釈明を求めまくれば大丈夫

「(求)釈明」とは,ちょっと用語がややこしいのですが,相手方の主張立証について,それを明瞭にして欲しいという求めをいいます。
たまに本人訴訟で,これを連発する人がいるのですが,どっかにそういう元ネタがあるのでしょうか。
なお,相手方の主張立証が不明瞭な場合に,こちらの反論がやりにくいときに釈明を求めるのは別格,そもそも,原告の主張立証が不十分なら,それはそのままにしておけばいいだけです。なんで,わざわざ敵に教えてあげるのでしょうか。
ということで,意味の無い行為です。ちょっと古い資料ですが,攻撃的に釈明を求めるとか,意味ないよね,という話は,東京地裁の裁判官アンケートでも出ている話です。


Q22.支払いの判決が出ても破産すれば大丈夫!

何が大丈夫なのかよくわかりませんが,ネットの違法な投稿については,非免責,つまり破産しても,責任を免れないとした裁判例があります
なお,免責されるかどうかは,個別判断です(ケースによっては免責されるものもあると思います。)ので,ネットde真実に目覚めるだけではなくて,弁護士に相談した方がいいでしょう。


Q23.意見照会ってどうやって来るのですか?内容証明郵便?

基本的に特定記録郵便でくることが一番多いです。とにかく,プロバイダとしては第三者的な立場であるにも関わらず,コストをあまりかけたくないからです。
特定記録郵便というのは,通常の郵便のように郵便受けに入れられますが,その配達の事実が,記録をされるという郵便です。特定記録と書いてありますので,わかります。
書留のように,手渡されるということはありません。気がついたら入っていた,ということで,実際に受け取るまで時間がかかってしまうこともあります。
特定記録郵便にするというのは理由があって,意見照会は到着後2週間以内,と設定するプロバイダが多いところ,その起算日を確定するためです。ただ,最近は,その確認も手間だということで,発送日の2週間+αくらいの日数を固定して,「●月●日必着」みたいに記載することも多いです。
丁寧なプロバイダや,地方のプロバイダですと,わざわざ書留にしてくれるところもあります
また,意見照会の時点からプロバイダに弁護士がつくと,なんと内容証明郵便になる,ということもあります。そこまでする必要は基本的にはないのですが,特別な事情があるか,不慣れであるか,という問題があります。
なお,この送り方とか,文面とかから,プロバイダの傾向と対策がわかったりしますので,全く無視できない情報であったりします。


Q24.被害者(請求者)ですが,複数名から投稿されたので,賠償請求訴訟ではまとめて訴訟をしようと思います/投稿者ですが,他にも投稿者がいるようで,その場合,他の投稿者にも私の住所氏名は知られてしまうのでしょうか。

投稿者が複数いる場合,請求者としては,まとめて訴訟を起こすことが効果的ですし,現によく行われています
まとめてやることで,被害立証の手間がかなり省けます。また,基本的に認められません(認められた事例もあります。)が,共同不法行為といって,全員に連帯責任を追及するという方法もあります。
この手の事件では,費用倒れになることもかなり多いのですが,複数名を同時に訴えることができれば,そうなるリスクを下げることが出来ます
そういうことで,複数名をまとめて訴える,というのは請求者にとって良い方法であるといえます。
なお,そもそも,誰が投稿者かわかっていない,つまりは発信者情報開示請求の時点でも,複数の投稿に対して,まとめて開示訴訟をすることは,通常のことです。

一方で,投稿者側からすると,まとめて訴えられることは,よくあることである,ということになります。特に自分以外に同じ人について投稿をしている人が沢山いる場合,そうなるリスクは高いといえるでしょう。
また,そういう場合,裁判外交渉を続けていて,全員について裁判外で解決できるかどうか,結論が出てから,最後にまとめて訴えることが通常です。ですから,裁判を起こされるまで時間がかかる,という傾向もあります。
その場合,自分の住所氏名が,請求者原告だけではなくて,他の投稿者被告にも知られてしまうのでしょうか。
これについては,訴状に被告全員の住所氏名が記載されることになります。ですから,他の投稿者全員にも知られる,ということになります
また,訴状の記載から,「この○○という投稿をした人は,○○に住んでいる○○である。」ということまで,相互に被告全員が知る,ということになります。

なお,このように,本来,お互いに住所氏名を知らないし,知らせたくもない他の被告(共同被告)に,住所氏名を知らせる結果になることについて,違法なプライバシーの侵害といえるのか,という問題もあります。

結論からいうと,基本的にならないと思われます。被告複数のケースでは,そもそも民事訴訟制度そのものが,こうなること,つまり他の被告の住所氏名を記載されて送達することは,予定されているからです。そもそも法律で予定されているのであるから,それによるプライバシーの侵害は甘受するべきで,違法ではない,ということになります。
もちろん,全く関係ない事件を一緒に訴えて,プライバシー侵害のために訴訟するとか,そうなれば別でしょうが,基本的に,このような訴訟をすることについて,原告がプライバシー侵害の責任を負うケースは稀だと思われます。


Q25.請求者「事業上の損害は請求できますか?」被請求者「事業上の損害も請求されるのですか?」

事業上の損害は請求されるケースがほとんどです。ただ,実際に認められることはかなり稀です。もっとも,それらの事情について,具体性やそれなりの信用性がある場合,「一切の事情」として考慮されて,慰謝料が算定されることになります。
要するに,基本的に請求するケースが多いが,実損は認められないけれども,それなりに根拠があるなら慰謝料の増額事由ということで考慮してもらえる,ということです。
損害賠償制度においては,被害については,被害者がその被害と因果関係を立証する責任があります。
となると,事業上の損害については,被害の算定も難しいのですが,その因果関係の立証は難しいことがほとんどでしょう。
実際に売り上げが下がったとして,それが,問題の投稿が原因であるかなど,基本的には明らかではないですし,実際に請求をするケースでも,その点について十分な主張立証があるケースは稀です。

なお,実際にあったケースとしては,女子トイレ盗撮というかなり悪質性の高い投稿がされた事案において,契約を切られるかもしれない,という事情が出ており,それについて正面から事業損害を認めたわけではないですが,考慮の結果,それなりに高額な賠償が認められたというものがあります。
また,私が被告を代理したケースでは,事業場の損害も含めて300万円程度が請求された事案で,かなり,具体的な支障とか,経費の増大とかを主張立証されたのですが,争った結果,判決では数万円程度に落ち着いたケースもありました。

そういうことで,事業上の損害は無視できませんが,がんばれば慰謝料増額事由になることもある,という話になります。


Q26.この単語だったらいくらとか,「アホバカ」レベルなら○○万円とか,聞くのですが,本当でしょうか。あと,判例で賠償額は決まるとか聞きますが。

いずれも間違いです。
前者については,損害賠償制度,それもネット上の表現トラブルの事情を考慮すれば,明らかに間違いなのは,すぐにわかるところです。
判例で賠償額が決まるというのも,誤解を招き,非常に不正確です。「ネット上の表現トラブルで判例で賠償額が決まる」という表現はミスリーディング極まりないと思います。


Q27.今、発信者情報開示請求の制度について、政府が改正を検討していると聞きましたが、どのような影響はあるのですか?簡単に開示されるようになると聞きましたが。

総務省が現在検討しています
あくまで現在の検討課題からの推察ですが、権利侵害が明白であるにもかかわらず、発信者が特定できない、あるいは、そこにたどり着くのに不相当な時間や費用がかかるというケースを減らすことに主眼があります。
つまり、これにより、これまで適法であった表現が違法になるとか、開示が認められるべきではなかった投稿について開示が認められるようになる、というものではありません「権利侵害の明白性」という要件の緩和は、現在は検討されていない可能性が高いです。

この研究会の主眼は、権利侵害が明白であるにもかかわらず、何度も裁判を繰り返す必要があるとか、プロバイダの保有している情報、開示された情報では発信者が特定できない、そういう不都合を解消しようとするところにあります。今まで自由にできた表現を違法化するというものではありません。要するに、本来は開示請求が認められるものであるが、費用や時間、開示される情報の内容の問題から、開示ができない、あるいは断念する、ということを減らすというものです。
まとめると、泣き寝入りするケースを減らす、というものです。
なお、発信者情報開示請求をする側からは、時間や費用が節約できるというメリットがあります。一方で、発信者にも隠れたメリットがあります。それは、請求者が費やす費用が減るということで、和解がまとまりやすくなる、というものがあります。請求者にとっての損益分岐点が下がるからです(低額で和解しても「黒字」になるためです。)。


Q28.ネット上の体験談、武勇伝で、「真実性や公共の利害関係性、公益性が認められて非開示になったぞ!」ってよく聞きますが、本当でしょうか。

そういう結論になる事件はそれなりにあります(転職サイトなど)が、発信者がそれを武勇伝で語るケースでは信用性が極めて低いでしょう。なぜなら、発信者はそれを知ることができないことがほとんどだからです
発信者情報開示が行われた場合、「発信者情報開示請求にかかる意見照会書」というものが、プロバイダから発信者(なお、発信者に限らないのですが、話を簡単にするために、そういうまとめにします。)送られてきます。
そこで、発信者は、請求があったこと、あるいは提訴があったことを知るわけですが、その後の結果については、プロバイダは、教えてくれるとは限りません
傾向として、開示になった場合は教えてくれることが多く、非開示の場合は連絡がないことが多いのですが、それも確実ではありません。
さらに、開示の連絡があったとしても、判決文を転送してくれることはありません(少なくとも、同種案件を3桁はやっていますが、一度もありませんでした。)。
また、自分で判決文を閲覧しようにも、事件番号など特定できる情報をプロバイダが教えてくれるとは限りません。それがわかったとしても、判決文を閲覧すれば、自分の申請書が綴られることになりますので、せっかく非開示になっても自分で開示しちゃう、ということになりかねません(書記官に言われて思いとどまったケースもあります。)。
ということで、そもそも、判決文に触れる可能性が極めて低いので、非開示の結論以上の理由について、わかるケースもほとんどないでしょう。
ネットde真実の法律情報の中には、例えば、勤務先に職場に内容証明郵便を送りつけて破滅させるとか、明らかに嘘っぽい武勇伝が溢れているので気を付けましょう。
そして、不安が大きければ大きいほど、そういう粗末な嘘に引っかかりやすいです。特に、請求を受けている側で顕著です


Q29.最近は、裁判所は簡単に発信者情報開示請求を認めると聞きましたが、本当でしょうか。

はっきりいうと、認知の歪みによるデマです。
いろいろ理由はあります。
まず、発信者からすれば、自分の投稿程度で開示が認められたのは納得がいかない、だから、最近は、簡単に裁判所は開示を認めてしまうに違いない、という感情的な思い込みに陥っているケースが、しばしばあります。
しかし、それは実態に合致しません(そもそも、自分自身の1件の経験から判断することは不合理です。)。
また、他の理由として、裁判所の判決文データベースによると、開示を認めた判決がたくさんある、だから、開示請求は認められて当然、と誤解されているケースもあります。
しかし、これには掲載されている判決が偏っているという問題があります。
まず、そもそも、裁判所のページに掲載される判決は、全体のごく一部です。民間の商用判例データベースについても同じことはいえますが、裁判所のページに掲載されるのは、本当にごくごく一部です。
ただ、最近はそれでも掲載数を増やす傾向があり、特に、知的財産関係の事件については、大量に掲載されています
ここが問題なのですが、著作権侵害を理由とする発信者情報開示請求事件についても、知的財産関係の事件として、積極的に掲載されている、という点です。
そして、著作権侵害に関する発信者情報開示請求は、これが認められやすいという傾向があります。投稿内容から著作物を掲載したことは明らかであることが多く、名誉毀損のように、社会通念上の判断とか一般読者の基準とかの判断が不要だからです。
そうなると、発信者情報開示請求の中でも認められやすい著作権侵害の案件ばかりが掲載される結果、認められて当然、と誤解してしまうことが原因であると思われます。
なお、少し話はそれますが相談者から教えてもらったのですが、「裁判官ガチャ」などといって、不運にも開示されることが多い、と信じ込んでいる人もいるみたいです。
もちろん、この種事件に限らず、そういう裁判官次第、ということは多くあります。ありますが、そうそう結論が大きく変わる、不自然に変わることは稀です。
さらに、不思議、もっといえば滑稽なのは、「判決は判例で決まるから、本人訴訟でOK」という言説(少なくとも、ネット上の表現トラブルの慰謝料について判例と表現できるものはありません。)と裁判官ガチャという言葉が並存して語られている点です。
裁判官ガチャ、つまり裁判官の気分次第で簡単に結論が左右されるのであれば、判例で決まるとはいえないですし、その説得は重要になるはずです。
そういうわけで、どちらも矛盾して間違っているといえるでしょう。ただ、法的トラブルというのは、感情的になりやすい、インターネットでは感情的になっている、似た境遇の人たちが情報交換をするので、矛盾はしていても、耳障りの良い、都合がいいだけのデマが流通するのは、やむを得ない側面もあると思います。


Q30.請求を受けた側の対応が悪い,ということで,慰謝料は増額になるの?

基本的になりません
というのも,損害賠償請求,特に慰謝料請求は,責任の有無はもちろん,金額について争いがあることがほとんどです。
要するに,争われて当然,ということです
争って当然のことを争って,それで自分の義務が増える,ということになると,請求を受けた側からすれば,非常に不公平な話ということになります。

特に裁判においては,お互いの主張に食い違い,相違があるから裁判になるわけで,これについて,争ったら責任が重たくなる,ということになると,裁判を受ける権利(憲法32条)の問題にもなりかねません
そういうことで,あえて虚偽の主張を繰り返すとか,法的に到底あり得ない主張をすることで,不当に相手方の負担を増したとか,そういうかなり極限的な場合でない限りは,争ったことを理由に慰謝料が増額されるということはないでしょう。

なお,交渉段階での提案であるとか主張というのは,なかなか判決文には現れません。ただ,稀に現れることもあります。原告がネット上の投稿について慰謝料請求したある訴訟において,謝罪をしていないということは慰謝料算定において考慮するべきとの主張がありました。これに対して裁判所は,和解の提案をしていること,その提案金額と判決金額の近いことを指摘して,その主張(増額)を斥けています。

あくまで事例判断で,一般化は出来ませんが,争い方が下手で重い責任を負担することはあっても,争ったことそれ自体で責任が重くなるということは,稀なケースでしょう。

また,ネット上の表現トラブルではありませんが,性犯罪の事件において,被告の応訴態度(裁判での争い方)を指摘して,慰謝料を増額した事案もあります。ただ,これはかなり例外的な事案です。少なくとも,ネット上の表現トラブルにおいて,争い方が原因で慰謝料が増額されたケースには接したことはありません。


Q31.被告側で本人訴訟は否認するのが大事,気をつけないと否認ではない,つまり自白と扱われるので注意!と聞いたけれども,本当?

Q14でも指摘しましたが,そんなことありません
裁判所は,たしかに,答弁書も出さないで欠席すると,全部自白扱いで判決を出します。
しかし,この点を除くと,裁判所は,本人の意思に反して自白扱いにならないか,非常に気をつけます
これは当然のことで,控訴して争われれば簡単にひっくり返ります。また,裁判官というか法曹一般の認識,思考として,裁判は究極の自己責任の世界ではありますが,その自己責任の前提として,手続保障,つまりは争う機会をしっかりと保障しないといけない,という考えがあります

自白というのは,争う機会を放棄するものですが,これを誤って認定すると,争う機会を一方的に奪うことになります
ですから,「本人訴訟ではちゃんと否認・争うことが大事」というのは間違いではないのですが,極端に神経質になる必要はありません。また,本人訴訟で当事者に不利な結果が出たことを「ちゃんと否認しなかったからだ」と思うことは間違いです。特に,ネット上の表現トラブルにおいて,発信者情報開示請求の弁護士費用を負担させることが出来るか,という論点があります。被告本人訴訟では,これの負担が命じられるケースが少なくないのですが,これは,争わなかったことが原因ではなく,争った上で,その主張が通用しなかった,ということです

なお,実際にも,否認・争うという記載を書面にしなかったが,請求額より低い金額での和解の提案をしていることから,「争うという意思だろう」と裁判所があえて認定して,その上で審理して判決したケースもあります。
他にも,被告は欠席をしたが,他人名義の書面が返事として提出されている(もちろん,これは被告の書面という扱いにはなりません),という事案で,裁判所が欠席判決を避けるために4回も呼び出しを繰り返した,という事案もあります。この事案では,結局,被告は欠席を続けたので,欠席裁判ということで,判決がされています。


Q32.発信者情報開示請求をする弁護士は仕事のない底辺弁護士だ,ビジネスにしようとしている,と聞きましたが,本当ですか?

そんなわけありません(笑)そもそも,事案の性質上,何か非難されるような事件ではありません。もちろん,個別の事件処理については,例えば共同炎上の問題であるとか,そういうことはあります。
ですが,事件自体,類型として非難されるとか,そういうことはありません。少なくとも弁護士間で,そんなことは聞いたことはありません
ただ,こういう事件に限らず,「自分たちにとって都合の悪い事件をやる弁護士,相手方になる弁護士は,悪い,酷い,底辺弁護士であると信じたい」という人は少なからずいます。そして,そういうこという人たちの事件というのは,基本的に負け筋です。理論的に自己の正当性を主張できないから,そのフラストレーションを相手方代理人弁護士にぶつけて自己催眠をしているに過ぎないのです。

私も,残業代未払いやハラスメントをする会社への賠償等の請求を代理したとき,その会社の人からそういう趣旨のことをいわれたことがあります。まあ,「そういうとこだぞ」,という話なのですが。


Q33.尋問で裁判所に呼び出されることはあるのですか?

基本的にはないです。
尋問というのは,裁判所に出廷して,その上で,裁判所や相手方,自分の代理人から質問を受ける手続きです
通常は,主張や書証が出尽くした,最後の仕上げに行われます。この前後に,和解の話が出ることも多いです。
裁判は,通常は事実の有無,内容に争いがあります。その場合,事実の有無や内容を確定するために,証拠を調べるわけですが,都合良く書証(書類の証拠)があるとは限りません。
ある人の供述しか証拠がないことがあります。そういう場合,話を聞いて真否を確定するということになるわけです。
要するに,「この事実の認定は,当事者や関係者の話を聞かないとわからないよね?」という場合に,行われます

ところが,ネット上の表現トラブルにおいては,話を聞く必要が無いことが多いです。問題の投稿は,書証で明らかですし,通常は争いがありません。その評価については,双方の主張書面で議論がされています。
したがってネット上の表現トラブルで尋問というのはめったにありません。あるケースとしては,そもそも投稿の事実を争っている,遠隔操作や無線LANの不正使用などの主張があるケースです。


Q34.開示費用について,最近は発信者の負担にしない裁判例が多いが,被告本人訴訟の場合は,発信者負担になるケースが多い傾向だと聞きました。これは,控訴で逆転するのでしょうか。

基本的に,控訴で逆転はしないと思われます。
少なくとも,負担,不負担,いずれのケースでも,控訴でひっくり返ったケースを,私は自分が担当した事件も,担当していない事件でも,目にしたことは一度もありません。
裁判において,どの論点についてもそうですが「勝負は控訴審から」とか思うのは禁物です。恐ろしい間違いであると思います
さらにもっといえば,よくネットでいう,「所詮は地裁」などという,地方裁判所を二軍裁判所とする考えは,明白に誤りです。裁判所は,そういう人事システム,つまり,簡易裁判所の裁判官がレベルアップして地方裁判所に,地方裁判所の裁判官が同じくレベルアップして高等裁判所に,というような仕組みを採用していません。これについては,「「所詮は地裁だし」は正しいの?控訴審のルールって?」で解説しています。


Q35.発信者情報開示請求が簡略化すると聞きましたが,「法の不遡及」だから,過去の投稿は関係ないですよね?

立て続けに,この質問が来ましたのでお答えしますが,仮に新制度(発信者情報開示請求の簡略化)が出来たとして,過去の投稿にも適用される可能性が高いでしょう。
少なくとも,「法の不遡及だから,過去の投稿に適用されることはあり得ない」,という考えは間違いです。
もとより法律で,過去の投稿に適用しません,と明示すれば別ですが,そういう明示が無い限りは,当然,過去の投稿にも適用する,というのが通常の解釈です。

こういう手続き上の法律については,過去に遡及し,実体的な権利義務の問題,つまり権利の中身については,遡及しないのが通常です。
たとえば,民法改正でも,法定利率の変更がありましたが,これは過去の債権に遡及して適用されていません。一方で,改正民事執行法での財産開示制度は,過去の債務名義(確定判決等)についても適用されます。また,公訴時効という刑事責任に深く関わるものについても,時効完成前の事件に限定されていますが,遡及適用されています

発信者情報開示請求は,実際に発生した損害賠償請求権を前提にして,それの追及のための手続きですから,手続き上の問題であるとして遡及する,というのが通常の考えでしょう(もちろん,逆の立法をすることも可能です。)。
「法の不遡及」という言葉だけから議論すると,以上の検討は不可能です。これは,法律用語だけを知って考えると,うまく答えが出せない,という典型例だと思います。ネットの法律情報は,こういう用語を振り回す誤りや偏りがあることも多いので,注意が必要です。

※更に質問等あれば,また,付け加えるかもしれません。

たまに法クラで話題になります。相手方代理人が,すごい変なこといっているので,困ったとか,あきれたとか・・・。

実は,私は,あまりそういうことはありません。というのも,変なことを言い出すときは,たぶん,相手方本人がそういうこと言っていて,それをいっても意味が無いし,不利になるかもしれない,といっても,弁護士の説得に応じない,というだけのことが珍しくないからです。

なので,むしろ,
(;;・∀・)「相手方代理人の先生も大変だなぁ・・・。」
って思って,同情しています。

↑このページのトップヘ