弁護士 深澤諭史のブログ

弁護士 深澤諭史(第二東京弁護士会 所属)のブログです。 相談等の問い合わせは, i@atlaw.jp もしくは 03-6435-9560 までお願いします。 Twitterのまとめや,友人知人の寄稿なども掲載する予定です。

2019年01月

今回は、淺井健人弁護士(東京弁護士会)からのご寄稿です(・∀・)
1 法改正の概要
自筆証書遺言は、これまで、全文、日付、氏名を自筆で書き、押印をする必要がありました(民法968条1項)。
2019年1月13日からは、自筆証書遺言の財産目録については、パソコン等で作成することや第三者が代筆すること、不動産の登記事項証明書や預貯金通帳の写しを添付し、目録の頁ごとに署名押印をする方法もとることができるようになりました(改正民法968条2項、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行期日について(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00237.html)、法制審部会資料24-2(http://www.moj.go.jp/content/001238833.pdf)21頁)。

2 加除訂正について
 訂正については、自筆の部分も自筆でない部分も同様に、法律で定められた方式で行う必要があります(改正民法968条3項)。
具体的には、①×印や抹消線で修正場所を明らかにしたうえで修正し、②修正場所に押印し、③空いている場所に「〇行目〇字削除〇字追加」などと記載のうえ、署名をする必要があります。

3 自筆証書遺言のメリット・デメリット
 自筆証書遺言には、
①誰にも知られずに遺言書を作成することができる、②遺言書作成の費用がかからないというメリットがあります。
 しかし、①方式が誤っているとして無効とされるリスクが大きい、②遺言書が発見されないおそれ、偽造・変造されるおそれが大きい、③遺言書の紛失や他人による隠匿・破棄のおそれも大きい、④死後、家庭裁判所で検認の手続をする必要がある(民法1004条)というデメリットもあります。

4 遺言書の保管制度
 2020年7月10日からは、遺言書の保管制度が新たに施行され(法務局における遺言書の保管等に関する法律について(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html))、法務局で自筆証書遺言を保管することができるようになります。保管制度を利用すれば、3の②~④のデメリットは解消されますが、依然として、①のリスクは残ります。

5 まとめ
 自筆証書遺言は、誰にも知られず似作成することができ、遺言書作成の費用がかからないというメリットはありますが、方式が厳格なため、無効とされ、せっかくの御意思が反映されなくなってしまうというリスクがあります。
また、遺言で何ができるかを踏まえ、かつ、遺留分にも配慮した遺言でないと、相続人の間でもめないように遺言書を作成したにもかかわらず、かえって、紛争を発生させてしまうおそれがあります。紛争が発生するとその解決コストは、時間的にも費用的にも相当なものになりますので、事前に弁護士にご相談されることをおすすめします。
自筆証書遺言よりは費用がかかりますが、相続紛争を予防するため、公正証書遺言を作成すべき場合もしばしばありますので、自筆証書遺言と公正証書遺言のいずれを選択すべきかについても、弁護士にご相談されるとよいでしょう(公正証書の費用については、日本公証人連合会公証事務1遺言(http://www.koshonin.gr.jp/business/b01))。

本日は、私の所属する第二東京弁護士会の委員会の一つである研修センターの会議に出てきました。

二弁では、新規登録弁護士に研修を義務付けていますが、それに関する打ち合わせを行いました。

事務所によって取扱分野は異なりますが、なるべく弁護士に共通して役に立つような題材を選んでいます・・・。

なお、去年から使用している労働事件に関する問題は、解説を含めて、私の発案で作成したものです。
(・∀・) 


黎明期というか、初期もですね。
いや、正直、本当になんでこういう言動をしていたのか、当時、私は、新しい時代の到来には、ワクワクしていましたが、なんでこんなにボロボロにいうのか、疑問を感じていました。

法曹養成機関なのに、法曹に敵意を抱く、少なくとも新人の窮状を放置するどころか喜ぶ、だから、今の惨状があるのではないでしょうか。


弁護士広告、特に振興事務所のそれは、賛否両論、あるいは厳しい目が向けられています。
でも、確実に救われた命は、すくなくはないのではないか、と思います。

もちろん、広告重視の法律事務所の事件処理には、問題のあるケースもあるでしょうが。。。 

SNSやブログを通じて積極的に情報発信をしていると、誹謗中傷などの被害を受けることは珍しくありません。
このような場合、投稿者は通常は匿名ですので、発信者情報開示請求という手続きを通じて、投稿者の住所氏名を割り出して、責任を追及するという流れになります。通常の事件と異なり、投稿者を見つけるという、ワンステップが挟まれるというのが特徴です。

このような事件類型はネットトラブルとしては、非常にメジャーなトラブルです。最近は、優れた解説書も多数出版されていますので、多くの弁護士が通常業務として取り扱っています。

請求をされた方としては、発信者情報開示請求に係る意見照会書という書類を使っているプロバイダーから受け取ることになります。この時点で、自分が責任追及されていると言うことを初めて知るということです

ところで、発信者情報開示請求は、必ず認められるというものではありません。色々と要件がありますが、基本的には、権利侵害が明白であるということの証明が必要です。どちらかといえば違法であるとか権利を侵害されたかもみたいな程度では開示されないことが多いです。
もっともこれは、プロバイダーの主張や、意見照会への回答次第というところもありますので一概にはいえません
ですが、他の事件と同様に、多数の裁判例が積み上がっており、ある程度の傾向であるとか基準といったものを見出すことはできます。

私も、この種の事件は、請求者だけではなく発信者・投稿者の側でも扱うことが多いのですが、常に裁判例等を収集して分析しています。

ところで最近、注意を要するような傾向を感じています。
というのも、以前は、開示が認められるかどうかについては、投稿者・発信者はどういう投稿したかという点だけ(つまり投稿内容だけ)でほとんど決まっていました
しかしながら最近は、請求者側の事情も考慮する、特に言動については考慮するという傾向が強くなっているように感じます

目につくのは、中傷、名誉棄損にあたりそうな表現をされていたとしても、そのされている側つまり請求者側が、日常から辛辣な言動をしている、他人に対して厳しい表現をしている、批判をしているという場合には、違法性を否定する、というものです。

これを、大雑把に言ってしまうと、普段から辛辣な批判とかを自分がしているのであれば、同じようなことを他人からされたとしても、それについて違法性を主張すべきではない、ということになります。
要するに、乱暴にいえば、どっちもどっちであり甘受すべきであるというような話です。私は、これを勝手に、甘受基準と呼んでいます。
典型的には、辛口の批評家が、その業務である批評の内容について、辛辣な批判を受けた場合、一定程度甘受すべき、というようなケースが考えられます。 
 
もちろん、このような理論には、妥当性に疑問がないわけではありません

名誉棄損の法解釈を従前通りインターネットに当てはめてしまうと、表現の自由の観点からはやや問題が起きそうなケースもあります。そこで裁判所は、その微妙な調整を、特に名誉棄損の従来の法理を大きく変更することなくするために、このような考え方を持ち出したのかもしれません。

そういうことで、ここでの教訓としては、SNSなどで積極的に発信する場合には誹謗中傷の被害などにも警戒すべきだということ、それについて的確に被害回復・責任追及を図りたいのであれば、言動については自分自身も慎む必要がある場合もあるということ、それをしないのであれば、ある程度の強い批判については、甘受すべきであろうということではないでしょうか。
また、そういう立場で発信者情報開示請求をするのであれば、提訴の段階から(訴状というのは、裁判所に事件に予断を持ってもらえる最初で最後のチャンスです。)、これを意識した主張立証をすべきでしょう。 

一方で、発信者情報開示請求を受けた人としては、この点を考慮して、相手方の言動についても主張立証していくという必要があるでしょう。ただ、この点については、不要な主張立証をすると逆に自分にとって不利になるということがよくあります。
かなり微妙なさじ加減が必要なところですし、一般に想像されているルールと、実際の名誉棄損のルールはかなり乖離のあるところですので、できれば弁護士に相談した方が良いでしょう(上記の話も、単に、辛辣な言動をしていれば適法化されるとか、そこまで単純ではありません。裁判例は、一定の基準をもって、問題となる投稿との関連性を検討しています。)。

自分が出した書面に、自分にとって不利な事実が含まれると、裁判は一気に不利になります

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