弁護士 深澤諭史のブログ

弁護士 深澤諭史(第二東京弁護士会 所属)のブログです。 相談等の問い合わせは,氏名住所を明記の上 i@atlaw.jp もしくは 03-6435-9560 までお願いします(恐縮ですが返事はお約束できません。)。 Twitterのまとめや,友人知人の寄稿なども掲載する予定です。

2018年08月

日経電子版と,朝刊に記事が掲載されましたので,お知らせします。
最近,特に3年くらい前から急増している事案なのですが,転職情報サイトに「ブラック」等と投稿されるというトラブルです。
これについて,削除や発信者情報開示請求(投稿者が誰かを特定する請求)をするには,ハードルが高いこともあり,工夫が必要なところもあります。
ということで,最近の傾向や実例について,お話しをさせて頂きました。

ネット投稿巡る仮処分 目立つ企業の申し立て

東京は霞が関には,東京三弁護士会と日本弁護士連合会などが入居する弁護士会館があります。

いろんな設備があり,自動販売機も多数設置されています。中でも,15階の自動販売機では,「サムゲちゃん」というサムゲタン風スープが販売されています。

美味しいと聞いていたので,この間初めて飲んでみましたが,非常に美味しいです。
今では,弁護士会の会議の度に飲んでいます(^ω^)

もし,機会があれば是非(・∀・)

先日,取材を受けた件が記事になりましたので,お知らせです。

日本経済新聞電子版「ネット投稿巡る仮処分 目立つ企業の申し立て」 

こちらですが,転職情報サイトに企業がブラック等の悪評を書き込まれ,それで求人に差し支えが出てしまうケースが多い,という話です。

私は,この手の事件は,企業側だけではなく,(元)従業員側も,かなりの件数を担当しているのですが,中には,スラップではないか?と思わせるようなものも少なくありません

是々非々でレビューするとなると,どうしても否定的なことも書かざるを得ません。それらについても一律に法的措置をとられると,資金力を生かして評判のクリーニングができてしまうのではないか,という危惧もあります。

また,発信者情報開示請求においては,請求者側に虚偽性の立証責任があります。ですが,ブラックではないことの証明・疎明ということは難しいことも少なくありません
問題発生後に弁護士に相談するのも結構ですが,日頃から労働環境については,弁護士に相談しておけば,こういうケースでもブラックへの反証が立てやすくなるのではないか,と思います。

弊所の服部啓一郎弁護士の解説が,弁護士ドットコムニュースに掲載されました。

ネットあるある、迷惑行為を撮影→SNSに晒しあげ 法的リスクを徹底検証
 
SNSで大流行している現象ですが,かなり詳細に検討されていますので,関心のある市民の方だけではなく,弁護士向けのまとめ資料としても有益かと存じます。

是非,お読み下さい。

非弁については,何回か解説をしています。最近は,詐欺被害等への関心の高まりからか,市民にも非弁規制に関する知識が多少は広まったのではないか,と思います。

非弁行為あるいは,非弁行為ではないけれども,そう疑われる可能性のある事業を行う業者としては,顧客から非弁だと思われれば依頼を受けることはできません。また,相手方が非弁であると判断すれば,相手にされなくなり(法律行為は無効であると扱われ),これもまた「事業」を遂行することができません

したがって,最近,「自分たちは,非弁行為をしていない。これは,(顧問)弁護士にも相談をして確認をした。」などと標榜するケースがあります。

実際に,こういった事業者が非弁行為を行っているかどうかは別として,その信用性をどう考えるべきでしょうか。

一般論として,「本人がいう『弁護士がこういっていた』は信用できない。特に,その弁護士の氏名が不詳である場合は,なおさら信用できない。」というのが,弁護士の共通した印象であると思います。

これは,そもそも伝言ゲームであり,基本的に信用するかどうか慎重に考えるべきでしょう。また,これは,やむを得ないこと(むしろ弁護士が誘導すべき)なのですが,相談時に自分に都合のよいことをだけを,相談者が話すということはよくあります。加えて,弁護士の回答についても自分に都合のよいことだけを記憶に留めて,第三者にもそれしか話さない,あるいは都合良く修正する,ということはよくあります。
これは,法律相談に限らないのですが,非常によくあるパターンです。

また,非弁の疑われる事案においては,事業者にとっては,非弁に該当するかどうかが事業の継続性に関する重大な問題です。閲覧している者,つまり顧客はもちろん,その事業の「相手方」にも,納得してもらわないといけません。
このような重大なことを,弁護士に聞いた,といいつつもその弁護士の氏名も,その理由もろくに明らかにしない,というのでは,信用性については慎重に考えざるを得ないでしょう。

また,中には,弁護士ではなく「顧問弁護士」から話を聞いた,と表示をしているケースもあるようです。
ですが,大事な顧問先の大事な事業について,その氏名も理由も出さずに非弁ではない,と表示することは,あまり合理的ではないと思います。大事なことですから,顕名(氏名を表示)で,それに理由も付すべきだと思います。

もっとも,こういう表示については,弁護士もリスクを負担する場合があります。弁護士職務基本規程上は,非弁と疑わしき者を利用し,あるいは名前を使わせるだけでも違反行為となります。
そうすると,氏名を表示していないのは,そのリスクを避けるため,つまり,非弁の疑いがあると,他ならぬその(顧問)弁護士が考えているのかも知れない,という疑いも生じます

私としては,インターネット時代,いろいろな事業が興されるのは大変結構だと思いますし,非弁の疑いがあるケースでも,それを払拭して事業ができれば,それはよいことだと考えます。
ただ,実際に,そのために必要な配慮,準備(顕名で弁護士が理由付で非弁でないことを説明して顧客等に表示する等)が行われているか,というと,疑問を持たざるを得ないケースもあるのではないか,と思います。

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