弁護士 深澤諭史のブログ

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2018年07月

今日はプレミアムフライデーというものらしいですが。

いつもより大分涼しいだけで十分プレミアムです。
(・∀・)

簡易裁判所と少額訴訟手続について,用語が創作されたり,概念がごっちゃな例がありますので,すこし整理してみました。
※少し追記しました。

まとめ

①簡易裁判所は裁判所の一つの種類で,民事裁判では140万円以下の事件を扱う。
②簡易裁判所行う手続の中で,「少額訴訟」というものがある。
③「少額訴訟」は,簡易裁判所で,60万円以下の事件について,希望すれば行える簡易迅速な手続である。
④「簡易裁判」という制度はないし,「略式裁判」というのは,おそらく他制度と混同した表現である。
⑤本人訴訟を簡単にやるための手続ではない。

解説

裁判所には,いろいろな種類がありますが,その中でも,民事では少額(140万円以下)の事件を扱う裁判所が,簡易裁判所です(なお,簡易裁判所ではこれ以外の事件も扱います。念のため。)。

簡易裁判所での裁判は,若干の特例はありますが,基本的には地方裁判所で行う通常の裁判と同様に行われます(法律上の例外はそれなりにあるのですが,実務上の扱いは地方裁判所とあまりかわりません。)。

簡易裁判所では,更に60万円以下の金銭請求について「少額訴訟」という簡易な手続を利用することができます。原則として1回の期日で終了するなど,様々な特例があります。

つまり,簡易裁判所では,140万円以下の裁判を扱うが,手続は地方裁判所はあまり変わらないのが原則である。少額訴訟という手続も使えるが,こちらは60万円以下で,それを利用する手続は別に必要,ということになります。

このあたり,インターネット上の法律情報では,簡易裁判とか簡易訴訟とか,略式裁判(刑事事件で略式命令請求という手続はありますが)とか,用語や概念がごっちゃになっています。

ですが,要するに,簡易裁判所が担当する裁判は140万円まで,さらに,60万円までの裁判で希望があれば,少額訴訟という特別で簡単な手続がある,ということにまとめられます。

法律には類似の名前があったり,よくインターネット上の法律情報では勘違いされるところなので,注意が必要です。

更に,昔から一部では,少額訴訟は,本人訴訟を簡単にやる手続だと勘違いされています。そういう制度趣旨もあることは否定しませんが,基本的に,一期日で,しかも即時に調べられる証拠に限定されますので,準備も大変です。
また,少額訴訟は,被告が異議を述べれば直ちに通常訴訟に移行するので,これを当て込むこともできません。
少額訴訟は,本人訴訟のための魔法の杖ではありませんので,この点は間違えないようにしましょう。

ビギナーズ・ネットが,修習貸与金の返済開始について声明を出しました。

客観的な話として,いわゆる谷間世代には著しい不均衡,不公平が生じているわけですから,これを是正する措置は必要だと思います。
これは,谷間世代の為だけではなくて,こういう不合理な格差が生じると,法曹の一体感というものにも,悪影響があると思います。

インターネット上には,様々な有益な情報が掲載されており,法律に関する情報もまた,例外ではありません。
しかし,弁護士としてネットで法律情報を集めてきた,という方の相談を受ける中で,一見便利に見える一方,実は,非常にリスクのある行為であると思うようになりました。
なお,過去にもこういうコメントをしたことがあります。

まとめ
①インターネットの法律情報は不正確なものも多い
②仮に情報が正確であっても,正確に適用できないと意味がなく,それは難しい
③必然的に,間違った情報だけをかき集めてしまう構造になっている

1.インターネット上の法律情報の正確性

インターネット上の法律情報は,全部が全部,間違っているとはいいませんが,不正確なものも多々あります。
これには,やむを得ない理由があります。法律というのは,事案によりますが,大部分が何らかの紛争の解決指針であったりします。つまり,紛争の時,どちらが正しいか,ということを決めているルールだ,という側面があります。

そういうわけで,紛争の当事者が,「正しい自分」に都合のよい解釈,理論を述べているだけ,ということも珍しくありません。

2.情報が正確であるということと,それを正確に使えることとは別の問題
法律情報というのは,それだけでは,通常はほとんど役に立ちません。
法律というのは,事実に適用して初めて法律効果が発生することが原則です。となると,正しく事実を把握すること,把握した事実と証拠により証明可能な事実の差異を把握するなどの作業が必要です。

いくら法律情報が正しくても,自分のケースに正確に当てはめなければ意味がありません。
薬が100%正しく製造されていても,自分の病気に当てはまる薬を,正しい用法用量で使わないと意味が無い,かえって危険であることと,同じことです。

3.インターネットで自分に都合のよい法律情報を漁る旅に・・・
以上で紹介した記事でもお話ししましたが,「自分は正しい」→「法律は正しい者の味方」→「だから正しいと信じている自分に味方する法律情報だけが正しい」という構造があります。

こういった状態に陥ると,誤った対応で事態が悪化する,本来の正当な権利を実現できない,負担するべきでもない義務を負担する,ということになりかねません。更に思いこみを深めてしまうと,適切なアドバイスを受け入れて行動することも難しくなってしまいます。

インターネットを利用した情報収集を否定するわけではありませんし,しばしば有益ではありますが,ご自身の問題,特に紛争については,法律デマの迷路に嵌まる前に,早めに弁護士に相談すべきだと思います。

法律問題について「この場合の慰謝料は?」というのは定番の質問です。

法律相談でも,度々見通しを聞かれるのですが,多くの場合,そんなに安いのか,というような反応がかえってきます。

これにはやむを得ない理由もありまして,おおざっぱにいうと,慰謝料というのは,苦痛を金銭に換算するものです。人間にとって最大の苦痛としては,典型的には「自分の死」が考えられます。その,死亡の場合の慰謝料が2000万円からというのが,一種の基準,相場となっています。

死亡ですら2000万円であるのだから…,ということで,慰謝料は,さほど高額にならないケースがしばしばある,ということになります。

なお,それでも慰謝料が高額になるケースがあります。典型的には,刑事事件における示談金の場合です。
この場合,被疑者としては,示談が出来ないと刑罰を受ける,前科が付いてしまう,場合によっては刑務所行き,という立場にあります。その不利益を避けるために,裁判で認められる相場をはるかに上回る示談金(慰謝料)で合意されることもあります。

逆にいえば,こういうケースの場合,刑事処分がされると,そういうインセンティブがなくなるので,高額な慰謝料で合意が出来る可能性は,極端に低くなるということがいえます。

このように,慰謝料や示談の関係は,難しい,微妙な問題がありますので,できる限り,特に相手に弁護士が付いているときは,合意前に弁護士に相談をしたほうがいいでしょう。

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