民事訴訟法上,米国のクラスアクションのような集団訴訟を円滑迅速に進めるような特別な規定はありません。

もっとも,複数当事者の訴訟はもちろん想定に入れられています。

そして,その場合,証拠は全員で共通して扱われますし,主張についても,1通の書面でしたり,援用(それを使います,という宣言のようなもの)をすることで,一人一人の負担を減らす事も可能です。

当事者,特に請求をする側である被害者が多数いる場合,集団で訴訟を提起するというのは,被害救済にとって非常に効果的です。お互いにやることに共通性がある以上,お互いの主張や証拠を融通することができるからです。

ですが,日本に米国のクラスアクションのような制度がない以上,以上のメリットは,事情の変化などで簡単にひっくり返ります。また,トラブルの温床にもなりかねません。

更にクラウドファンディングの様なケース,つまり支援者がいる場合,その者らとの関係も大事です。

大雑把にいっても,次の様なリスクがあり,それぞれ個別に事前に手当が必須でしょう(実際に,集団訴訟関係と思しきケースで懲戒処分も出ています。)。
  1. 本当に依頼者の利益になるのか。
  2. 1について,それはどれくらいの確度でいえることなどか。
  3. 依頼者間に利益相反が出る可能性はあるか。
  4. 依頼者間に利益相反が出た場合はどうすればいいか。
  5. 支援者との関係はどうするか。
  6. 支援者への法的な義務だけではなく,倫理上,道義的な義務はどうするか。
  7. 6について,弁護士のみならず,依頼者のレピュテーションリスクになる点はどのように手当てするか。
  8. 類似のことを既に行っている者がいた場合,しかもそれが公益性が高いものである場合,それとの関係をどうするか。無視して良いのか。
  9. 依頼者をどうやって集めるか。集め方は弁護士法令に反しないか。
  10. 以上について,予め検討しており,かつ,それについても公にできているか。行き当たりばったりではないか。