ネットトラブルの無料電話相談をやると,遠方の方からの相談もあり,そのなかでよく聞かれるトピックです。
また,つい先日も,弁護士同士ですこし話題になりましたので,一般向けに少しまとめてみることにします。
まとめ
まず,ネット上の表現トラブルの裁判は2種類あります。プロバイダ(サーバーレンタル会社も含む。)に,発信者情報開示請求をするための裁判,これで,投稿者を特定します。
もう1種類は,投稿者への賠償請求です。この2種類の裁判がネットの表現トラブルでは問題になります。
書き込まれた人間からすればこの2種類両方が,書き込んだ人間からすれば,後者1種類だけが問題になるということです。
まず,裁判の原則ですが,その原則は被告の最寄り(それ以外のケースもあります,念のため)の裁判所で行うというものです。
裁判というのは自由に起こせます。しかも,放置すると敗訴します。となると,被告の応訴(裁判に対応すること)のコストを下げるため,こういう原則が取られています。
したがって,開示訴訟の場合はプロバイダの最寄りになります。ほとんどのプロバイダは東京にありますので,東京地方裁判所が原則です。更に,海外のプロバイダの場合も東京となります。
なお,著名なレンタルサーバー会社の中には,大阪の会社もあるので,その場合は大阪地方裁判所となります。
次に2種類目,つまり賠償請求ですが,原則は被告の最寄りということになります。
ですが,被告の最寄りというのは原則です。いろいろ例外があります。
たとえば,事件・事故の場合,その現場の最寄り,ということも可能です。
ネットの投稿は,日本中で被害が発生しますので,それを利用して東京ということも可能です。
また,他にもいろいろと原告の最寄りに寄せる方法があります。
以上をまとめると,ネットの表現トラブルでは東京地方裁判所で裁判するというケースが多数であるということがいえます。
そして,両当事者が東京でない場合に,東京地方裁判所というケースも珍しありません。私も,お互いが東京からはるかに離れた裁判を東京地方裁判所でやったことはなんどもあります(相手方代理人弁護士も東京に事務所がある。)。
どこの裁判所でやるか,それで争いになることも多いのですが,私の経験上,当事者双方がどこに居ても,基本的に東京地方裁判所ということで,場所が争いになることは稀であるという認識です。
また,つい先日も,弁護士同士ですこし話題になりましたので,一般向けに少しまとめてみることにします。
まとめ
- 裁判は原則として被告の最寄りで行う。
- ネットの表現トラブルでは,プロバイダ相手の裁判(開示訴訟)と投稿者相手の裁判(賠償訴訟)がある。
- プロバイダはほとんど東京なので,開示訴訟はほとんど東京で行われている。
- 賠償訴訟の原則は,投稿者の最寄りの筈だが,実際は東京地方裁判所で行われるケースも多い。
まず,ネット上の表現トラブルの裁判は2種類あります。プロバイダ(サーバーレンタル会社も含む。)に,発信者情報開示請求をするための裁判,これで,投稿者を特定します。
もう1種類は,投稿者への賠償請求です。この2種類の裁判がネットの表現トラブルでは問題になります。
書き込まれた人間からすればこの2種類両方が,書き込んだ人間からすれば,後者1種類だけが問題になるということです。
まず,裁判の原則ですが,その原則は被告の最寄り(それ以外のケースもあります,念のため)の裁判所で行うというものです。
裁判というのは自由に起こせます。しかも,放置すると敗訴します。となると,被告の応訴(裁判に対応すること)のコストを下げるため,こういう原則が取られています。
したがって,開示訴訟の場合はプロバイダの最寄りになります。ほとんどのプロバイダは東京にありますので,東京地方裁判所が原則です。更に,海外のプロバイダの場合も東京となります。
なお,著名なレンタルサーバー会社の中には,大阪の会社もあるので,その場合は大阪地方裁判所となります。
次に2種類目,つまり賠償請求ですが,原則は被告の最寄りということになります。
ですが,被告の最寄りというのは原則です。いろいろ例外があります。
たとえば,事件・事故の場合,その現場の最寄り,ということも可能です。
ネットの投稿は,日本中で被害が発生しますので,それを利用して東京ということも可能です。
また,他にもいろいろと原告の最寄りに寄せる方法があります。
以上をまとめると,ネットの表現トラブルでは東京地方裁判所で裁判するというケースが多数であるということがいえます。
そして,両当事者が東京でない場合に,東京地方裁判所というケースも珍しありません。私も,お互いが東京からはるかに離れた裁判を東京地方裁判所でやったことはなんどもあります(相手方代理人弁護士も東京に事務所がある。)。
どこの裁判所でやるか,それで争いになることも多いのですが,私の経験上,当事者双方がどこに居ても,基本的に東京地方裁判所ということで,場所が争いになることは稀であるという認識です。
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