最近,インターネットの表現に関するトラブルについては,投稿された側もした側でもかなり相談を受けることが非常に多くあります。特に,発信者情報開示請求に係る意見照会書が届いた時点で相談されるケースが多いです。

無料電話法律相談も実施しているのですが,相談でも頻出の誤解ポイントがあるので,以下に列挙しておくことにします。

以下は,完全なデマもあれば,ミスリーディングである,誤解であるなどの事情もあります。
特に,ネットに関する法律は,トラブルの当事者が半ば願望を交えて議論(?)をしています。そういう中で,都合の良いデマと誤解が発生しやすいという環境にあるといえます。

ご自身の問題は,ネットの情報だけではなくて,弁護士に相談をしましょう。一定の場合は法テラスで無料相談を受けられますし,私も,無料電話法律相談を実施しています(予約制で,事情や先約により承れないこともあります。)。

なお,投稿者側の誤解が多いのが特徴です。ただ,された側にも誤解があります。
過度に不安になるのも大いに問題なのですが,誤解をしたままなのは余計問題と(この種の事件に限らないのですが)いえます
それと,この種の事件に限らないのですが,特にネットの事件については,質問サイトで質問するのはかなりハイリスクです。関係者が見ているかもしれません。

特に,発信者情報開示請求について,裁判外の請求なら絶対に開示されないという誤解については,そういう誤解があるままだと開示請求をする側は非常に助かるのですが,される側にとっては命取りになりかねません

◯投稿した側
  1. 真実だから大丈夫だ。
  2. ニックネームへの中傷だから大丈夫だ。
  3. 相手にだって悪いところがあるから大丈夫だ。
  4. 自分以外にも同じような投稿をしている者がいるから大丈夫だ。少なくとも本当のことだ。
  5. 開示請求には膨大な費用がかかるから,弁護士費用倒れを恐れて,ほとんどの会社・個人は発信者情報開示請求をしないはずだ。
  6. 弁護士費用は各自負担,請求できても被害額の1割なので,ネットの投稿の賠償金は大した額にはならないから安心だ。
  7. 自分は転載をしただけ,あるいは既に公開されている情報を掲載しただけなので大丈夫なはずだ。
  8. 訴訟にならないとプロバイダは絶対に開示しないので,そうなるまでは安心だ。
  9. とにかく訴訟になるまでは放置しておいてよい。
  10. こちらは,お金がないので賠償額は低額になるはずだ。
  11. ログの保存期間は3ヶ月だから,もう自分は大丈夫だ。1年経ったから大丈夫だ。
  12. 意見照会がこちらに来ない以上,開示されることはないはずだ。
  13. 裁判記録を閲覧して今後に備えよう。大丈夫,閲覧にリスクはないはずだ。
  14. 相手は「公人」だから大丈夫だとネットに書いてあった。
  15. ネットで,自分の投稿に問題はないという判例を教えてもらったから大丈夫だ。判決年月日や掲載誌はしらないけれど。
  16. ファイル共有ソフトの件で開示請求が来た。自分は身に覚えがない,知らないのだから,そう書いておけばよいはずだ。大丈夫,きっとプロバイダも裁判所も分かってくれるさ。
  17. 家族の投稿だから大丈夫だ。あるいは,そういうことにしておけばいい
  18. 発信者情報開示請求で非開示になったと連絡があったのでもう大丈夫

◯投稿された側
  1. 賠償額の相場は,1投稿でも100万円とか数十万円だから,弁護士費用は回収できる。
  2. 開示請求の費用は相手に請求できると聞いたので安心している。
  3. 開示請求が認められた以上は勝ったも同然だ。だから,交渉でもこっちの言い分が通るはずだ。
  4. いうことを聞かないのであれば刑事告訴すればいい。警察は喜んで動いてくれるはずだ。
  5. 発信者情報開示で得られた情報だから,こいつが投稿者で間違いない。
  6. 事件のことをネットでいろいろ書こう。大丈夫,悪いのは相手だ。
  7. ネットに強い弁護士に依頼したから大丈夫だ。凄い強気の書面を叩き付けていうことをきかせてやるから安心だ。
  8. 相手は匿名で活動している。こっちのいうとおりにしないとばらしてやるといおう。大丈夫,裁判は公開だから,自分が公開しても問題ないはずだ。
  9. 一週間以内に百万円単位で払えと請求すれば,びびって払うだろう
※ お問い合せ(取材を含む。)等については, i@atlaw.jp までメールをお願いします。
※ やや重複しますが,発信者情報開示請求への対応という記事も書いています(初出が7年前ですので,かなり雑多ですが,最新情報は加えてあります。)。