最近、気になる言説が散見されましたので、すこしコメントを。

「本人にも同じことをやってもらうから非弁ではない」というような主張があります。
すなわち、業者としては、本人がすでにやっている意思表示を、もう一度やっているだけであるということです。

しかしながら、これは非弁行為の該当性を失わせるものではありません。非弁行為に該当するかどうかは、その行為そのものが弁護士法72条本文に該当するかどうか、という問題です。あくまで行為そのもので判断することが原則です。
りんごはりんごであって、みかんと一緒に置かれると柿に化けるとか、そんなことはないのと同じことです。

仮にこの論法が通用するのであれば、貸主から債権の弁済を請求する、それで応じないので、別に業者から請求するという形式の債権回収業も適法ということになってしまいます。

そうなると、特別な許可をとってサービサーになる必要もなくなり、サービサー法もいらない法律ということになってしまいます。このような解釈が不合理であることは明らかでしょう。

また、自分たちは仲介をするだけだから非弁では無い、というような言説もあります。
しかし、弁護士法72条は仲裁も対象に含めています。
その仲介は仲裁では無い、と扱うとしても、弁護士法72条にいう法律事務は、法律効果を保全し、明確化する行為も含まれると解されています。
仲介により、本人の意思、法律効果は明確化されるわけですから、仲介という名目が、非弁であることを否定する事情にはならないでしょう。

「〇〇だから非弁では無い」という言説は、到底、法律家の議論に耐える水準に満たないものばかりですが、誤解を悪用するケースがしばしばあるので、今後も取り上げたいと思います。