本人訴訟支援をするケースの場合、支援の中心的内容は、書面の作成になります。

この場合、原告被告本人つまり当事者が、書面の内容を十分に理解していないケースも散見されますが、それは、非常にリスクがあるといえます。

裁判所に出す書面というのは、訴訟記録として綴られます。また、自分に不利な内容を含む場合、それは、ほとんどの場合は非常に信用できる情報として、そのまま不利に利用されてしまいます。

一種の契約書のようなものです。他人が書いた契約書を理解しないまま、署名して提出することは、恐ろしい行為です。通常のサービスの場合とことなり、約款とか定型とか、消費者契約法の保護もありません。

もし、代理人を立てずに出廷するのであれば、書面の内容を理解し、自分に万が一にも不利な内容がないということを、確認して、十分な理解をして提出するべきでしょう。

また、書面の内容について尋ねられた場合、期日後に「本人訴訟支援する先生」に尋ねようと、あとで答える、書面で答える、と、安易に述べることも禁物です。

そのことは、書面の内容を理解していない、すなわち、書面の内容に確信を持っていないということで、主張内容の信用性に疑問を抱かせます。今後の裁判で不利になりかねません。

あなたは代理人ではありません。他ならぬ本人です。ですから、本人に確認する、ということもいえません。それを肝に銘じましょう。

また、あとで主張をする、という事実も裁判の資料となりえます。法廷では、書記官が記録のために録音をしていることもあり、当たり前のことをすぐに答えられない、という事実は残ってしまいます。これが、弁論の全趣旨ということで、不利な材料として使われる可能性も十分にあります。

書面を書いてもらって、それで自分は理解していない、あとで答えればいい、これは、裁判では通用しないこともある、非常にリスクのある行為だと理解するべきです。