以前,「こいつは悪い奴!拡散希望!」という記事でも解説しました。

こういうことは,以前から散見されますが,不法行為になる可能性が高い行為です。

それにもかかわらず,紛争当事者が紛争について一般公衆に,あるいは,相手方の家族や勤務先,学校等に紛争の事実を伝えるということが少なくないようです。

では,なぜ,こういう行為が横行するのでしょうか?

こればかりは,想像の範疇になりますが,①正しい自分が正しい結果を得るためだから許される(目的が手段を正当化),あるいは,②裁判は公開されているので,第三者に知らせるのも問題ないだろう(問題の誤解による混同),というような発想があるように見受けられます。

しかし,冷静になって考えてみれば,これらはいずれも誤りであり,それは簡単に想像のつくことです

わかりやすい例を挙げてみると,よく分かると思います。

例えば,消費者金融から借りた金を返さない債務者がいるとします
消費者金融は,もちろん債権者として債務者から金銭を回収する権利がありますし,返還請求の裁判をすれば,それは公開法廷で行われることになります。

ですが,だからといって,昔のドラマに出てきそうなシーンですが,その人の玄関に,「金返せ」と張り紙をするとか,勤務先に,「おたくで働いているYさん,借りた金を返さないんだけれども,どうにかしてください」と電話するとか,その子どもが通う学校に知らせるとか,そういった行為はいずれも不法行為であることは,容易に想像できると思います。

これらの行為については,不法行為責任が認められた裁判例もありますし,これを援助助長した弁護士に弁護士会の処分が下されたケースもあります

冷静になって考えてみればわかるのに,なぜ安易にこんな不法行為に及んでしまうのか

それは,やはり紛争の持つプレッシャー,紛争が人を感情的にさせてしまう,ということが大きな原因ではないかと思います。

だからこそ,紛争については弁護士や認定司法書士に依頼をするとか,少なくとも,それらから客観的なアドバイスを受け,かつ,それに冷静に従うようにすることが重要であるといえるでしょう。