最近,かなりよく電話で相談されるので,解説します。

結論から言うと,内容それだけでは,決まりません
。決まらないので,分かりません。

ネットの投稿トラブルについては,そのほとんどの投稿は匿名で行われますので,発信者情報開示請求という,投稿者の情報を開示してもらう手続きが必要になります。

この場合の相手方は,(いきなり投稿者は分からないので)投稿者の契約しているプロバイダに行うことになります(非常に細かいことをいうと,すこし不正確な表現ですが,ほぼ概ねそうだ,ということです。)。

この場合,投稿者には,プロバイダが判断・訴訟で反論するために,発信者情報開示請求に係る意見照会書というものが送られてくるので,適宜反論する必要があります

裁判所は,開示の可否を,反論も考慮して決めることになります。ですから,投稿内容そのものだけではなくて,その投稿内容に関する情報,手持ち資料,そして,その投稿内容の評価に対する反論次第で,開示の可否が決まるということになります。

たとえば,実際に裁判例として存在するものとしては,「弁護士に対して,犯罪者とか児童ポルノ等連呼する投稿」「老人ホームについて特定疾病の知識がないと揶揄する投稿」「『最低』呼ばわりする投稿」「『基地外』とか『バカ』とかの投稿」「ブラックな労働環境であるとする投稿」というものについて,いずれも,権利侵害がないとして発信者情報開示請求を棄却(非開示)した例があります。

では,これらの単語は,いずれも,「裁判所のお墨付きで大丈夫な単語」になったといえるでしょうか?
いいえ,そうではありません

発信者情報開示請求の可否は,投稿の内容だけではなく,以下の要素も大きな影響を与えます。

①請求者の属性
②投稿場所
③請求者と投稿者双方の事情
④請求者の主張立証
⑤投稿者の反論
⑥裁判所の個性
(これは私見ですが,東京と大阪では,結構違いがあると思っています。)

ですから,上記の投稿をしても安全ということではないので,くれぐれも注意をして下さい。

逆に,単に態度が悪い,気持ち悪い,といった程度で開示が認められた事例もあります

また,裁判例(実際の判決文)をみると,弁護士を付けないために④が不足したり,あるいは,せっかく発信者情報開示請求に係る意見照会書を受け取って反論の機会があるにも拘わらず,自分に不利な事実を主張してしまう(オウンゴール)ケースも散見されますネットトラブルは,自分でやった場合の予後が非常に悪い事件類型です。)。

相談だけなら無料ないし廉価に,最近は私もそうですが電話相談を実施している弁護士もありますので,何かやる前に,相談をした方がいいでしょう。