非弁というのは,弁護士資格がないのに,弁護士業務を行うことをいいます。

最近,非弁に該当する行為を行うと標榜する非弁護士の業者が急増しています

もっとも,彼らは非弁行為であるとは明記しませんし,それを否定するような表記もしています。その中でも「交渉すると非弁になるから交渉しません!」というのは,よく聞く話です。

しかし,これは誤解を招く表現です。交渉をすれば非弁になるとはいっても,交渉しなければ非弁にならない,という関係にはないからです。

非弁行為について,法は,抜粋すると次のように定めています。

鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱(う)ことを業とすることができない

非弁行為に該当するのは,「鑑定、代理、仲裁,和解」を含む「法律事務」ということになります。
そして,交渉というのは,通常は代理に該当します。

ポイントは,禁じられているのは法律事務であり,代理は法律事務の中に含まれること,そして代理以外の行為も法律事務に含まれるということです。

ですから,代理をすれば非弁行為になる可能性は高くなりますが,別に代理をしないから非弁にならない,ということではありません。

「代行」など言い換えても,これは同様のことがいえます。
かなり,誤解を招くような広告も散見され,気になりましたので,解説する次第です。