ちょっとTwitterで反応が大きかったので,すこし関連することを解説します。
この分野に限らないのですが,法律情報には,「議論が白熱すればするほど,都合のよい法律デマが出てくる」という現象があります。
そこで,ここでは,よくあるデマ,誤解を簡単に解説します。

① 真実であれば何を書いてもよい。
→そんなことはない。真実で免責されることは稀で難しい。
② 有名人などは「公人」であり,その人達については何を書いてもよい。プライバシーも保護されない。
→ とんでもない。「公人」が一律どうであるとかそんな都合のよい法律はない。
③ 悪い人,悪事については,自由に投稿して良い。世直しだ。
本当に多いが,そんなことはない。ただのリンチである。というか,なぜそれを匿名でやるのか。
④ 違法な投稿をしている者については,自由に中傷してもよい。
→同じ穴のムジナである。暴力団同士の抗争だって処罰される。
⑤ 公開情報であれば,他の場所(=ネット)で公開してもよい。
誤解である。これについては先例になる裁判例もある。また,「「うっかり写っちゃった!?」ネット写真投稿の法律問題」も参照。
⑥ 「引用」だから問題ない。
「引用」として適法になる要件は非常に厳しい。
⑦ 苦情が出たら,やめればよい。
もう遅い。法的責任は苦情時ではなく行為時に生じる。