平和的にやっているから、事件ではないから非弁ではない、という法律デマ
最近流行の非弁行為に関するデマ
最近、非弁行為の該当性について、平和的にやっている、だから事件ではないので、非弁行為ではない、という言説を耳にします。
結論から言うと、間違っています。
「『事件』ではない」は理由にならない
まず、事件ではないという点ですが、これについて、紛争の可能性がある案件の取り扱いは非弁行為になるというのが、最高裁の判例です。
また、その判例は、紛争性のない案件に弁護士法72条(非弁行為)の適用がないということまでは、断言していません。そして、最近の地裁高裁の裁判例は、概ね、法律関係を変動させる、形成する案件であれば、非弁行為になると判断しています。
もっとも、この議論は、実際にはあまり実益はありません。外部の「自称専門家」に有償で依頼する案件である以上、ほとんどの場合は、少なくとも潜在的には紛争性があるからです。
「平和的」「適正」は非弁行為の正当化にならない
次に、平和的にやっている、要するに、暴行脅迫していない、適切に適正な請求をしているだけだから、非弁行為ではない、というような意見もあります。
ですが、これも間違いです。
たしかに、非弁行為は、無資格者による他人の法律事務取扱いを認めると、こういう脅迫等の問題(他にもいろいろありますが)が生じうるから禁止されています。
ですが、それは、非弁行為が禁じられる理由の一つであって、非弁行為になる要件ではありません。
たとえば、無免許運転も酔っ払い運転も禁じられていますが、その趣旨は、危険な運転を防止するというものです。
ですが、安全運転であれば無免許でもいい、あるいは酔っ払っていてもいい、というわけでありません。それと同じことがいえます。
違法ダウンロード問題について、解説しました
電子書籍のスクショは合法? 実際に逮捕されるの? 弁護士が解説する「違法ダウンロードの対象拡大」
AbemaPrimeで、漫画家・実業家の赤松健先生と出演させていただきました。
AbemaTVには、何度か出演させていただいているのですが、インターネットの反応を見ながらトークしたり、社会問題に深く切り込んだりする、非常に楽しいメディアです。
今回も、赤松先生がインターネットで集めた質問に答えていく方式で、解説させていただきました。
なお、ネットでしばらく見られますので、そちらも是非どうぞ(・∀・)